競馬辞典DICTIONALY OF HORSE RACE

競馬に関する専門用語や馬のしぐさについて解説いたします。

馬用語辞典

あおる スタートでの出遅れのこと。ゲートが開いた一瞬に、びっくりして後脚で立ち上がりほかの馬に遅れをとること。逃げの馬の場合だとかなりヤバイ状況。
上がり(あがり) レースや調教で終まいのことを言う。上がり3ハロンとは、ゴールまでの最後の3ハロン(600m)のこと。調教でも「上がりタイム」に何秒かかるかを見て、その馬の能力を目安とする。
脚色(あしいろ) 馬の走りっぷりを評する言葉。レースや調教で、余力を残して軽快に走る馬を「いや~脚がいいね」という。
併せる(あわせる) 「併せ馬」とも。調教は単走が基本だが、競走意欲をつけさせたい時など、2~3頭の併せ馬で行う。外側に強い馬を走らせ、タイムは単走の時よりも早くなるのがふつう。
入れ込む 馬が興奮して落ち着かないことだが、レース前にエネルギーを消耗してしまうためマイナスとせれる。一見気合いが乗っているようにも見えるため、発汗状態をよく見て、いれ込みかどうかを判断したい。
馬っ気 雌馬のふけの対し、雄馬の発情をいう。パドックで長時間馬っ気を出すのは、競走能力に大きなマイナス。
馬なり 騎手が追わないで馬の行くままにまかせた走り方。 調教で、馬なりのまま良いタイムが出れば好調と考えられる。馬なりに対して「強め」は馬を追っての走り方、「一杯」は 追って余力のない走り方。
追い切り レースの3~4日前に行う強い調教。日曜日に走る馬は木曜日に追い切られるのが普通。
追い込み 3コーナーあたりまでは後方につけ、直線に入るやいなや一気にスパートし勝負するタイプ。追い込みが決まったときはしびれるが、不発に終るとすごくかっこ悪い。
押えっきり ゴール前、余力を残して少しも追わずに楽勝すること。
折合(おりあい) 馬と騎手の呼吸の合い具合をいい、「折合がつく」などと用いる。うまく折合がつかないと、馬がペースを守らずに行ってしまう場合があり、これを「ひっかかる」という。
カンカン 馬が背負う負担重量のこと。重量に敏感でレースで苦戦する馬「カンカン泣き」すると言う。
カンパイ スタートのやり直しのこと。競馬の草創期、外国人のスターターの「カムバック」を聞き間違えたまま定着したものなんだって。
こずみ 筋炎の俗称。調教が強すぎたときなど肩や腰に発生する。こずみがひどい場合、歩様がこわばり、後肢の送りが悪くなり、小股で歩いたり跛行したりする。 軽いこずみはレース前のウォーミングアップ(返し馬)でほぐす。
ささる 調教やレースで内に斜行すること。外に斜行する場合を「もたれる」と言う。
差し 先行集団を射程距離内において、最後の直線で勝負を決めるタイプ。
じり脚 一瞬の鋭い脚はないが、バテずにじわじわと伸びてくるタイプ。いつも2、3着にはくるが勝つまでには至らないケースが多い。
末脚(すえあし) 直線に入ってゴール間際で見せる脚勢。「終いの脚」とも。決ったら快感!
ステイヤー 長距離レースを得意とするタイプ。長距離とは普通 2,000m以上。
ずぶい レース中、騎手が追い通しでないとなかなか走ろうとしない馬を形容していう。能力がないのかというとそうでもなく、少しもバテずに、最後の直線で伸びてきたりする、人をなめた馬。
スプリンター 1400mくらいまでの短距離レースに強い馬。持久力よりもスピードを武器とするタイプ。
先行 逃げ馬ほどはっきりした脚質ではないが、常に先頭集団4~5番手までにつけて直線で抜け出しをはかる。トンビに油揚タイプ。
ソラを使う レース中に突然走る気をなくしたり、トップに立った途端に本気で走らなくなったりするとてもきまぐれな馬である。
つつまれる レース中群集に入ってしまい動きがとれなくなること。「馬ごみ」「ポケット」に入ることも言う。 実力馬が力を余して負けるケースであり、多頭数では要注意。
テキ 調教師のこと。騎手のことは「やね(屋根)」「乗り役」と言う。「やねがかわる」 は騎手が乗りかわること。
鉄砲 「ポン使い」とも。長期休養していた馬が久々に出走してくること。鉄砲使いはレース勘が戻っていなかったり、仕上がり不十分だったりで惨敗も多いが、たま~に好走する馬もおり、非常にやっかいである。
テン “最初”の意味で「テンに置かれる」はスタートしてからの出足が悪く遅れること。「テンの1マイル」、「テン乗り」(騎手が初めてその馬に乗ること)などとも使う。
逃げ スタートと同時にダッシュ!して先頭に立ち、目立とうとする馬。うまく自己のペースにもちこんで「逃げ切り」を狙う脚質。
二走ボケ 休養明け初戦で好走した馬が、第2戦目で 思わぬ凡走をすること。
バタバタになる レース途中で力を使い果たしてバテてしまうこと。「いっぱいになる」とも言う。
ハミ(衝)にかかる ハミは馬の口に噛ませる器具で、手綱を通し騎手の意志を伝えるとても重要なもの。これがしっかり口に収まれば、馬はレース中で全力を出すことができるんだ。
ハロン 1マイル(1600m)の8分の1で、約200mのこと。 「ハロン棒」はゴールから200m置きに立っている標識。
ふくれる コーナーで大きく外側を回ること。他馬のためやむをえない場合と悪癖による場合がある。
ふけ 雌馬の発情のこと。春から初夏にかけ、ほぼ3週間おきに5・6日間続く。ふけはふつう競走能力を低下させるといわれるが、影響のまったく見られない馬もいる。
太目 「重目」ともいう。馬体重が絞りきれないで少し重いこと。「太残り」などという。
マイラー 1マイル(1600m)くらいの中距離レースを得意とするタイプ。

馬のしぐさ

  • 耳を動かす

    馬は落ち着いて神経を集中させているときには、耳をきちんと前に向けています。だから不安がったり、気が散ったりしているときには、耳をくるくるとよく動かすのです。きっと、必死で落ち着こうとしているのかも。

  • 首を左右にふる

    人間の場合は、「イヤ」という拒否のジェスチャーですが、どうやら馬もそのようです。ひとたびレースに出ると、馬は千メートル以上は走り、おまけにムチで叩かれます。それを覚えていて、「もうひどい目に会うのは嫌だ」と拒絶しているのかもしれません。

  • 顔をすりよせる

    特に若い馬にみられる光景です。精神的に幼い馬だと、いつも世話をしてくれる厩務員さんに鼻面を押しつけて、甘えようとすることがあります。馬も人の子(?)、ときには誰かに頼りたくなってしまうのです。

  • よだれをたらす

    よだれがたれたからといっても、おなかがすいている、ってわけではなく、集中力を欠いている状態のようです。または、少し興奮ぎみか。あまり好ましい状態ではありません。ただ、寝てたわけではないのでご安心を。

  • 下を向いて歩く

    元気がなく、とぼとぼと歩いている様子。やはり、少しやる気がないしぐさです。でも、首が上下にリズミカルに動いている時は、気分がいい証拠です。調子のいい馬とそうじゃない馬を見分ける目安にしてみては。

  • 小走り

    トントントン、と足踏みをしている様子。これはレースを前にうずうずしていると言っていいでしょう。はやる気持ちを押さえられないのです。でも、度が過ぎると、興奮状態になってしまい、あまりよくありませんが。

  • 足で地面を蹴る

    緊張、または興奮していらいらしているしぐさのひとつです。でも、これがクセになっている馬もいるとか。本当にいらついているかどうかは、目の充血の度合いや、暴れ方などと併せて全体的に見て判断した方が無難です。

  • しっぽをふる

    犬は気分がいいとしっぽをふりますが、馬もやはり気分がいいとふるようです。ただ、犬ほどあからさまに気分があらわれているわけではありません。寄ってくる虫を追い払っている、ってこともよくあるそうです。

  • 汗をかく

    人間は緊張すると、手や背中に汗をかきますが、馬も同じ。落ち着きをなくしていると大量に汗をかきます。でも、当たり前のことですが、暑いときには汗が出るもの。夏は、ただ暑いから、ってこともあるのであしからず。

  • 立ち上がって暴れる

    これは極度の興奮状態にあることを示すしぐさです。こうなるともうパニック状態。何を考えているかはわかりません。でも、騎手が乗ると、とたんに落ち着きを取り戻す馬もいるので、簡単に見限ってはいけませんよ。

  • おしっこ / うんち

    きっと我慢できなかったのでしょう。馬も大勢の人に見られながらするので、ちょっと恥ずかしいはず。見て見ぬふりをしてあげるのが優しさ(?)というものです。

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